
キャンプの楽しみのひとつである焚き火。しかし、雨の日になると「焚き火は無理なのでは?」と思う方も多いでしょう。実は、適切な対策をすれば雨の日でも焚き火を楽しむことが可能です。 ただし、濡れた薪が燃えにくくなる、火がつきにくいなどの課題もあるため、焚き火ができる天候の判断や必要な道具、設営の工夫が欠かせません。
本記事では、雨の日でも焚き火をするための具体的な方法や注意点を解説します。雨の日キャンプでも焚き火を楽しみたい方は、ぜひ参考にしてください。
どれくらいの雨だったら焚き火ができる?
雨の日に焚き火をする場合は、降水量の目安を知っておきましょう。
- 降水量1〜2mm/h程度
焚き火は可能。適切な対策をすれば問題なく火を維持できる
- 降水量3〜5mm/h程度
工夫次第で焚き火は可能。ただし、薪が湿りやすく難易度が上がる
- 降水量10mm/h以上
焚き火の継続は困難。キャンプ自体を中止するのが安全
特に、降水量10mm以上の強い雨では、地面がぬかるみ焚き火の維持が難しくなるため、無理に実施しない方が良いでしょう。
キャンプの雨対策については以下の記事で詳しく解説しています。ぜひご覧ください。
『キャンプの雨対策は万全に!快適な雨キャンプのための持ち物リスト&設営のコツ』
『雨の日のキャンプの楽しみ方とは?必要なアイテムやポイントを詳しく紹介』
雨の日に焚き火をするには?
雨の日は、通常の乾燥した環境と比べて湿度が高く、火がつきにくい状況が考えられるため、事前に対策を講じておくことで快適に焚き火を楽しめます。
- 適切な焚き火スペースを確保する
- 雨天対応の焚き火ギアを用意する
それぞれのポイントを詳しく見ていきましょう。
適切な焚き火スペースを確保する
焚き火をする際には、できるだけ雨を避けられるスペースを確保することが大切です。森林サイトであれば、木の枝や葉が自然の屋根となり、小雨程度なら雨を防ぐことができます。ただし、大きな枝の真下では、葉に溜まった雨水がまとまって落ちてくることがあるため、枝から少し離れた場所を選ぶことも大切です。
タープを活用するのも、雨の日の焚き火において非常に有効です。耐火性のあるタープを使用し、適切な高さと角度で設置することで、焚き火スペースを確保しやすくなるでしょう。タープの片側を高くし、もう片側を低くすることで雨水がスムーズに流れ落ち、タープの上に水が溜まるのを防ぐことができます。
雨天対応の焚き火ギアを用意する
雨の日の焚き火には、通常の焚き火道具に加えて、雨に強いギアを用意することで、より快適に焚き火を楽しめるためおすすめです。特に屋根付きの焚き火台を使用すると、雨が直接火に当たるのを防ぐことができ、火を絶やさずに維持しやすくなります。
また、薪が湿ってしまうと火がつきにくくなるため、防水バッグや防水シートを活用して乾燥した薪を保管しておくと安心です。雨の日は風の影響も受けやすいため、風防機能のある焚き火台や、囲いを作ることで安定した火を維持しやすくなります。
雨の日に焚き火をする方法 
雨の日の焚き火は、普段よりも数倍着火しにくくなります。特に薪が湿っていると火がつきにくく、燃え広がるまでに時間がかかることがあるでしょう。そのため、雨の日に焚き火をする際には、以下のポイントを意識しておくことが大切です。
- 乾燥した薪・細い薪を準備する
- 薪は井桁組に組む
- 一気に着火する
それぞれのポイントを詳しく見ていきましょう。
乾燥した薪・細い薪を準備する
雨の日に焚き火をする際には、乾燥した薪を用意しておくことが重要です。薪が濡れていると火がつきにくく、煙が多く発生してしまいます。乾燥した薪がない場合は、濡れた薪を直接火にくべずに、焚き火の周りに置いて乾かすと良いでしょう。薪が温まって乾燥してきたら、少しずつ火の中に入れることで、効率的に燃やすことができます。
また、太い薪よりも細い薪の方が着火しやすいため、できるだけ細めの薪を準備しておくことが大切です。火がつきやすい小枝や細い薪を使い、火を安定させた後に太い薪を追加することで、焚き火をスムーズに続けることができるでしょう。さらに、着火剤を多めに持参しておくことで、雨の日でも素早く火をつけることが可能になります。
薪は井桁組に組む
薪の組み方も、火のつきやすさに大きく影響します。雨の日は特に空気の流れが悪くなりやすいため、薪を井桁状に組むことで、通気性を確保しながら効率よく燃焼させることができるでしょう。井桁組とは、薪を格子状に積み重ねる方法で、薪の間に適度な隙間を作ることで、空気が通りやすくなります。この方法を採用することで、湿った薪でも乾燥しやすく、燃えやすい環境を整えられるでしょう。
また、井桁組をすると火が安定しやすく、焚き火全体の燃焼効率が向上します。焚き火が消えにくくなるだけでなく、薪を追加する際もスムーズに行うことができるため、初心者でも扱いやすい組み方です。
一気に着火する
雨の日は湿度が高く、火口(ほくち)が水分を含んでしまうと燃えにくくなります。そのため、少しずつ火を起こすのではなく、着火剤を多めに使用し、一気に火をつけることが大切です。火が弱い状態が続くと、薪が十分に燃えず、煙が多く発生してしまうため、素早く火を大きくすることを意識しましょう。
着火には、通常のライターやマッチよりも、固形燃料やパラフィン紙を使った着火剤が有効です。これらを利用することで、湿度の高い環境でも安定した火を確保しやすくなります。
タープの下で焚き火をする際の注意点
雨の日のキャンプでタープの下で焚き火をすることは可能ですが、火の扱いには細心の注意が必要です。
- タープの素材と耐火性を確認する
- タープと焚き火台の適切な距離を保つ
- 風通しを良くしておく
これらのポイントを押さえて適切な方法でタープを設営し、安全に焚き火を楽しみましょう。
タープの素材と耐火性を確認する
タープの素材によっては、焚き火の火の粉が飛んできた際に簡単に穴が開いてしまうことがあります。特にナイロン製のタープは燃えやすいため、焚き火をする場所には適していません。ポリコットンや難燃加工が施されたタープを選ぶことで、火の粉によるダメージを軽減できます。
タープと焚き火台の適切な距離を保つ
タープと焚き火台の距離が近すぎると、焚き火の熱や火の粉によってタープに穴が開いたり、最悪の場合は引火してしまう可能性があります。耐火性のあるタープであっても、直接火に近づけすぎると変色や劣化の原因になるため注意が必要です。
火の粉は予想以上に高く舞い上がることがあるため、十分な距離を確保しましょう。一般的には、焚き火台からタープまで少なくとも1.5メートル以上の距離を取るのが安全とされています。また、タープを張る際には片側を高くし、もう片側を低くすることで雨水が溜まらず、焚き火の熱も上手く逃がせられます。火の勢いが強くなりすぎると火の粉が飛びやすくなるため、薪をくべる量にも注意しましょう。
風通しを良くしておく
タープの下で焚き火をすると、煙がこもりやすくなり、視界が悪くなったり、煙たさで快適に過ごせなくなることがあります。さらに、換気が不十分な状態で焚き火を続けると、一酸化炭素が蓄積し、危険な状況を引き起こす可能性もあるため注意してください。タープの下で焚き火をする際には、風通しを確保しておきましょう。タープの四隅を少し開けたり、入口部分を広めにとることで、空気の流れを作ることができます。
また、風向きを確認し、煙が滞留しないようにタープの配置を工夫することも有効です。天候の変化にも注意しながら、快適で安全な焚き火スペースを確保するよう心がけましょう。
雨の日の焚き火でやってはいけないNG行為とは
雨の日に焚き火をする際は、安全面やマナーを意識することが大切です。ここでは、焚き火をする際に避けるべきNG行為を紹介します。
- 火を大きくしすぎない
- 新聞紙や落ち葉を燃やさない
- 風下のキャンパーに迷惑をかけないようにする
それぞれのNGポイントを詳しく見ていきましょう。
火を大きくしすぎない
雨の日は薪が湿っていることが多いため、火力を上げようとして大量の薪を一度にくべると火が十分に薪を乾かせず、煙が多く出たり火が弱まったりしやすくなります。火の勢いを調整しながら、必要な量の薪を少しずつ加えて、安定した焚き火を維持しましょう。
防火素材のタープを使っていても、火力が強いと火の粉が舞い上がり、タープに焦げ跡や小さな穴が開く可能性があるかもしれません。焚き火との距離を十分にとり、適切な火力で焚き火をしましょう。
新聞紙や落ち葉を燃やさない
雨の日の焚き火では、着火しやすい素材として新聞紙や落ち葉を使いたくなることがありますが、これらの素材は燃焼すると灰が舞い上がりやすく、周囲のキャンパーに迷惑をかける原因となります。特に風がある日は、飛んだ灰がテントや衣類に付着し、汚れの原因になってしまいます。
また、落ち葉や紙は燃え尽きるのが早いため、継続的に焚き火を維持するには不向きです。雨の日に焚き火をする際は、しっかり乾燥した薪や炭を使用し、安定した火を作りましょう。着火時には、新聞紙ではなく、固形燃料やパラフィンを使用した着火剤を活用すると、煙を少なくしながら効率よく火をつけることができます。
風下のキャンパーに迷惑をかけないようにする
焚き火をする際には、煙や火の粉の流れを事前に確認し、風下にほかのキャンパーがいないかを意識することが大切です。湿った薪を使うと煙が多く発生しやすくなり、大量の煙が周囲のキャンパーのテントや衣類に付着することで、不快な思いをさせてしまう可能性があります。
風向きは時間とともに変わることがあるため、焚き火を始める前に風の流れを確認し、可能であれば風上側に焚き火を配置すると安心です。また、煙が多く発生しないように、薪の組み方を工夫し、しっかりと乾燥した薪を使いましょう。
雨の日の焚き火は、適切な方法で行えば安全に楽しむことができます。火の管理に注意し、周囲のキャンパーへの配慮を忘れずに、快適なキャンプ時間を過ごしてください。
鋸南ほしふるキャンプ場で雨キャンプを楽しもう
雨の日のキャンプを快適に楽しむためには、設備が整ったキャンプ場を選ぶことが大切です。「鋸南ほしふるキャンプ場」では、焚火台のレンタルが可能で、薪や炭の販売も行っています。雨の日のキャンプでは、湿った薪を使用すると火がつきにくく、煙が多く発生してしまうことがあるでしょう。しかし、現地で乾燥した薪や炭を購入できるため、スムーズに焚き火を楽しむことができます。手ぶらでキャンプを楽しみたい方や、急な雨で焚火の準備が難しくなった場合でも安心です。
また、広々としたサイトではタープを設置しやすく、雨の日でも快適なスペースを確保することができます。雨の日ならではの静かな雰囲気の中で、焚き火を囲みながらゆったりと過ごすことができるのも魅力です。
鋸南ほしふるキャンプ場では、雨の日でも焚き火を楽しむための環境が整っております。ご予約は「鋸南ほしふるキャンプ場:予約フォーム」から簡単に行えますので、ぜひご利用ください。